
結論:社章は左ラペルのボタンホールに装着するのが基本です。基本的には企業の就業規則に従います。
本記事は、基準→衣服別→留め具別→例外対応の順に整理しています。図解・表・チェックリストで分かりやすくなっています。
この記事でわかること
・左右・高さ・角度の基準と許容範囲
・スーツ/ベスト・シャツ/作業服での最適位置
・ピン・タイタック・マグネット等の使い分け
・よくあるNG装着の修正手順
・教育現場でそのまま使えるチェックリスト
なお、社章についての全体像については、以下の完全ガイドで網羅的に解説しています。まずはこちらからご覧いただくと、より理解が深まります。
→社章とは?意味・マナー・付け方・紛失対応・作成方法まで完全ガイド

この記事の監修・執筆は誉花編集部
本記事は、徽章・表彰分野で10年以上の実務経験をもち、経営・企画・マーケティング・AIを活用した業務効率化、社内イベント運用の経験をしている誉花編集部が監修・執筆しています。
一発回答|社章の位置と付け方の結論

最短で整える3ステップ
最短で整えるには、【高さ→角度→固定】の順で確認します。先に流れを共有しておくと、現場のバラつきが減ります。
- 高さを決める
左ラペルのボタンホール上に、社章の下辺が来るよう合わせます。 - 角度を合わせる
垂直正面から最も整う角度にします。 - 固定を確認
装着後、正面と斜めから鏡で上下の位置・傾きのズレをチェックします。
迷ったら「高さ→角度」の順で合わせると手戻りが少なくなります。
装着基準
位置・角度・留め具の基本指針を一覧で示します。これに沿えば、誰が装着しても再現性高く整います。
項目 | 基準 | 補足 |
---|---|---|
左右 | 左(心臓側) | 規程が右指定なら右で統一 |
高さ | ボタンホール上 2〜5mm | ボタンホールがない場合はラペル中央やや下 |
角度 | 垂直 | 撮影時は5〜10度が整って見えやすい |
留め具 | ピン/タイタック/マグネット | 衣服と安全要件で選択 |
迷ったら「左・中央やや下・垂直」を基本に微調整してください。
【図解】社章の位置の基準|ラペルとボタンホールの関係

社章の標準位置|ラペルとボタンホール
標準位置は、左ラペルのボタンホール上。角度は垂直(0°)で着用することが一般的です。
この基準にすると、体格やデザインが違っても安定した見え方になります。
状態別の装着基準(迷ったときの目安)
ボタンホールの有無やラペル形状ごとの位置決めを一覧にしました。
状況 | 推奨装着位置 | 注意点 |
---|---|---|
ボタンホールあり | ホールの2〜5mm上部 | ズレにくく、視線の流れにも自然 |
ボタンホールなし | ラペル幅の中央〜やや下部 | 折返しラインと社章下辺のバランスが重要 |
運用メモ:基準を全員で共有すると、日による見え方のブレを防げます。とくに新入社員や制服職種では、位置統一が印象の安定につながります。
ベスト・シャツ(ラペルなし)の社章の付け方
ベスト・シャツでラペルがない衣服の場合、基本的には社章をつけないことが一般的です。実際の運用については、必ず勤務先の就業規則をご確認ください。
なお、クリップ式やマグネット式の社章も存在します。これは、10年以上前にクールビズが導入された際、日本で著名な徽章メーカーが「クールビズ期間でも着用できるように」と開発したものです。
ただし、ラペルがない服にまで無理に社章を装着する必要がある場面は限られており、実務的には着用しないケースが多いのが実情です。
作業服(厚手生地)の社章の付け方

作業服は現場作業に耐えるための衣服であり、安全性と耐久性を優先する必要があります。
装着手順:
- 位置を決める
左胸ポケットの上部中央、またはポケットがない場合は左肩寄りの引っかかりにくい位置を選びます。 - 装着する
一般的にはねじ式を用いて、しっかりと固定します。貫通式ピンは安全上避けるのが無難です。 - 確認する
腕の上げ下げや前かがみなどの動作でズレや落下がないかをチェックします。
ポイント:
作業現場では、引っかかりによる事故や落下リスクを最小限に抑えることが最優先です。職場の装着基準がある場合は、それに必ず従ってください。
チェックリスト
・左胸ポケット上部中央(または引っかかりにくい左肩寄り)にある
・マグネット/ねじ式の固定が動作時にも緩まない
・安全要件・職場規程に適合している
安全性は最優先です。規程がある場合はそれを上位基準としてください。
留め具別の付け方|ピン・タイタック・マグネット・ねじ式
留め具の選び方
生地と目的で決めれば迷いません。
- 生地が薄い → タイタック(※回転しやすい)
- 生地に穴を開けたくない → マグネット(※磁気干渉・落下に注意)
- 固定力が最優先 → ピン/ねじ式(※当て布・補強シール併用)
先に基準を共有しておくと、装着手順に迷いません。
留め具の比較
留め具 | 固定力 | 生地ダメージ | 着脱性 | 向いている衣服 | 主な注意 |
---|---|---|---|---|---|
ピン(キャッチ式) | 高 | 中(穴が開く) | 中 | スーツ・制服 | 当て布/補強シールで跡を軽減 |
タイタック | 中 | 低 | 高 | ベスト・シャツ | 回転・傾きやすいため角度確認 |
マグネット | 中 | 0 | 最高 | 作業服・女性用スーツ | 磁気干渉・落下に注意 |
ねじ式 | 最高 | 低〜中 | 低 | 作業服・式典 | 締め過ぎによる生地負荷に注意 |
原則:安全要件・社内規程を優先し、状況に応じて使い分けます。
種類別の使い方とコツ
ピン(キャッチ式)
- 特徴:生地を貫通させ、裏で留め金具固定。高固定力で最も安定。
- デメリット:穴が開く/跡が残ることがある。
- 装着手順:
- ピンを垂直に貫通 2) 裏でキャッチを確実に固定
- 角度が傾かないよう位置と向きを事前調整
- 当て布/補強シールでダメージ軽減
- コツ:厚めラペル向き。同じ位置ばかり使わず微移動で穴目立ちを防止。
タイタック
- 特徴:軸+キャップで固定。見た目がスマートで薄手衣服向き。
- デメリット:回転・傾きが出やすい。
- 装着手順:
- 表から軸を通し、裏でキャップをカチッと固定
- 垂直に微調整
- キャップの締め不足は回転の原因 → しっかり締める
- コツ:着用前に鏡/スマホで正面確認を習慣化。
マグネット
- 特徴:非貫通式。生地を傷めず着脱が最も簡単。
- デメリット:ズレ・落下、磁気干渉(医療機器)に注意。
- 装着手順:
- 表に社章、裏からマグネットでしっかり挟む
- 強力タイプ/滑り止め付きを選ぶ
- 装着後に軽く動いてズレ・落下を確認
- コツ:ペースメーカー使用者は不可。金属アレルギーにも配慮。
ねじ式
- 特徴:短いネジ軸で裏パーツにねじ込んで固定。最高の安定性。
- デメリット:着脱に手間/締め過ぎで生地負荷。
- 装着手順:
- 位置を決めてまっすぐねじ込む
- 軽く増し締め(締め過ぎ注意)
- 動作確認で緩みが無いか再チェック
- コツ:式典・作業現場など落下厳禁の場面に有効。
仕上げの一言
- 薄手=タイタック/生地保護=マグネット/安定=ピン・ねじ式。
- 最終判断は安全基準・施設ルール・社内規程を最優先に。
女性スーツでの見栄え基準|襟型・胸元のバランス

女性用スーツに社章を装着する際は、襟の形状や胸元の開き具合に応じて、位置と角度を柔軟に調整する必要があります。
見た目の美しさを保ちつつ、不自然さや違和感を避けるためには、「目立ちすぎず・沈みすぎず・傾きすぎない」絶妙なバランスが求められます。
女性スーツにおける社章配置の最適化ポイント
- 襟の開きが浅い場合:基本通り、左ラペルのボタンホールの上に装着する
- 襟の開きが深い場合:胸元に社章が沈み込みすぎないよう、やや内寄り・上寄りに配置
- ラペルが細い・非対称の場合:社章のサイズとのバランスを優先し、中央寄りに調整
- 襟なし・ノーカラー型スーツの場合:左胸ポケット上部 or 第一ボタン付近の延長線上に装着
襟型別:社章の配置基準と調整目安
襟の形状ごとに“沈み込み”や“主張過多”を避ける配置をまとめました。
襟型・スーツタイプ | 推奨装着位置 | 補足/注意点 |
---|---|---|
テーラード(浅め) | 左ラペルのボタンホール上(基本位置) | 基本位置で問題なし |
テーラード(深め) | ラペル中央やや上〜内寄り | 胸元の沈み込みを避ける |
ノーカラー(襟なし) | 左胸ポケット上端 or 第一ボタン延長線上 | ポケット無は鎖骨の少し下の体の内側寄り |
ショールカラー | 襟のカーブに沿ってやや内寄り | 左右バランスを優先して微調整 |
オープンカラー | 襟の開きラインに沿って上端または内側 | 首元が広いほど控えめな位置に |
実務で気をつけたい見え方のポイント
- 社章の位置が下がりすぎると、胸元に沈んで“だらしなく”見える
- ラペルに対して斜めに刺すと、写真で傾きが強調されやすい
- 動作や姿勢変化でもズレないよう、軽量かつ安定した留め具(マグネット/タイタック)を選ぶのが安全
女性用スーツはデザインやサイズ感が多様なため、画一的な装着ではなく“見え方重視”の柔軟な対応が最も重要です。
NG例とリカバリー|よくある位置ズレ・傾き・穴あき
社章の装着は一見シンプルですが、ズレ・傾き・穴あきといった小さなミスが、全体の印象を大きく損なう原因となります。
本項では、実際に起きやすい失敗例を先に把握し、短時間で整えるリカバリー方法を明確に解説します。
よくあるNG装着パターン
- 位置が低すぎる/高すぎる
→ 胸元に沈み込み「頼りなく」見える/肩寄りすぎて「不自然」になる - 角度が左下がり・大きく傾く
→ 写真で“落ちて見える”、違和感が強まる - 社章が衣服に対して浮いている
→ ピン先の固定ミス・生地の張りとの不一致 - 穴が複数空いている・生地が傷んでいる
→ 留め具の再装着を繰り返した結果、ラペルが劣化して見える - ユニフォームや作業服で位置がバラついている
→ 装着位置のガイドラインがなく、見た目に統一感がない
次の手順どおり「高さ→角度→固定」の順に直せば、短時間で整います。
所要時間・必要ツール・チェック順序
社章の装着は数分で完了する作業ですが、見栄え・安定性・生地保護を両立するためには事前の準備とチェックが重要です。
ここでは、誰でも迷わず実行できるよう、必要なツールと手順をフローチャート形式で整理します。
所要時間の目安
準備・装着・微調整を分けて見積もると、全体の段取りが掴みやすくなります。
作業内容 | 初心者の目安 | 慣れている場合 |
---|---|---|
準備(道具・場所) | 約1〜2分 | 約30秒 |
装着作業 | 約2〜3分 | 約1分 |
微調整・確認 | 約2分 | 約1分 |
合計 | 約5〜7分 | 約2〜3分 |
初回は時間がかかっても問題ありません。手順に慣れるほど短時間で安定します。
必要ツール一覧
- 社章本体(留め具付き)
- 鏡またはスマートフォンのインカメラ
- 安全ピン/タイタック/マグネット/ねじ式のいずれか
- 当て布/補強シール(ピン式の場合)
- 定規または目印ガイド(初回設置用)
- 清潔な作業スペース(シワ・汚れ防止)
上記すべてが必須ではありません。最初は社章本体と鏡(またはスマートフォン)があれば十分に整えられます。
HowTo|社章を正しく装着する手順(初心者向け)
位置ズレを見つけたら「高さ→角度→固定」の順で直すと短時間で整います。最初に高さを合わせ、次に角度を微調整し、最後に留め具を締め直してください。この順序にすることで、再調整の手戻りを最小化できます。
- 衣服を平らな状態で用意
シワを伸ばし、光のある場所で作業する - 社章を装着する位置を確認
左ラペルのボタンホール上/中央やや下など、襟型に合わせて判断 - 留め具の種類を確認し、社章を固定
貫通型は角度を意識してまっすぐに、マグネットは位置ズレに注意 - 鏡・カメラで正面から確認
高さ・角度・傾きをチェックし、必要があれば微調整 - 着用したまま軽く動き、ズレや落下の確認
問題なければ完了、ズレる場合は留め具を再調整または変更
最終チェック項目
- 左右の位置は「左ラペル or 胸元」に適切に装着されているか
- 高さが高すぎず、胸元に沈み込んでいないか
- 社章の角度が水平に収まっているか
- 留め具が外れやすい/ズレやすい状態になっていないか
- 衣服に無理な負荷や穴・ヨレが生じていないか
すべて満たせていれば、対面でも写真でも安定した見え方に仕上がっています。
新人研修で実際に出た質問
Q1:写真撮影のときだけ角度を強めても良いですか?
A:5〜10度の範囲内なら自然に見える場合があります。
Q2:毎回同じ位置に刺して穴が気になります。
A:ピン跡が目立つ場合は、位置を微調整するかタイタック・マグネットの併用を検討してください。
Q3:制服が右ラペルしかありません。
A:右で統一して問題ありません。全員で事前に周知し、統一感を確保してください。
よくある質問:FAQ
Q1:社内規程がある場合、この記事の内容とどちらを優先すべき?
A:社内規程を最優先してください。たとえ一般的なマナーと異なっていても、組織内ルールが明確に存在する場合はそれに従うのが原則です。
Q2:社内規程に「社章は左に」とあるが、制服が右ラペルしかない場合は?
A:制服の構造に合わせて右に装着して問題ありません。その際、全社員で統一されるよう事前に周知しておくことが重要です。
Q3:スーツの構造が特殊で、ボタンホールがない場合はどうする?
A:ラペル中央やや下の位置を目安に、見た目のバランスを優先して調整してください。装着ガイドを共有して全体の見え方を揃えるとベストです。
Q4:女性スーツのバリエーションが多く、位置が統一できないがどうすれば?
A:襟型や開きに応じて「見え方重視」で柔軟に調整しましょう。ただし撮影や式典などでは、事前に基準位置を共有して統一感を持たせるのが望ましいです。
Q5:作業着の場合、左ラペルが存在しない。どこに付ければいい?
A: 左胸ポケットの上端や中央が一般的です。安全性を優先し、動作時に引っ掛かりが生じない場所を選んでください。
例外対応の基本スタンス
ケース | 対応方針 |
---|---|
社内規程と一般マナーが異なる | 社内規程を優先 |
制服構造にラペルがない | 左胸ポケット上 or ラペル中央やや下に調整 |
撮影や式典などで装着が不統一 | 事前に全員で装着位置を確認・揃える |
留め具に指定がある(例:磁石NG) | 社内指示に従い、例外対応を明文化する |
まとめ|社章の位置と付け方を迷わず整えるために
社章は、ただの装飾品ではなく、組織への帰属・信頼・礼節を象徴するパーツです。
そのため、位置・高さ・角度・留め具・服装とのバランスすべてにおいて「正しく・整っていること」が重要となります。
本記事では以下のポイントを明確に示しました。
本記事でわかること
- 社章の正しい位置は左ラペルのボタンホール周辺が原則(高さは中央やや下・角度は水平)
- スーツ・ベスト・シャツ・作業服ごとの装着方法を、衣服構造に応じて具体的に解説
- ピン・タイタック・マグネット・ねじ式などの留め具別の選び方と注意点
- 女性スーツでの見栄え調整法(襟型・開き具合に応じた配置)
- NG例(ズレ・傾き・穴あき)と短時間で整えるリカバリーフロー
- 実務で使える所要時間・必要ツール・手順チェックリスト付きHowToガイド
- 社内規程と一般マナーが異なる場合の判断基準と例外対応